—自分が何を求めているか—を知る機会だった。

7日間の漁業支援ボランティアに参加された、田中里奈さん。彼女が宮城で感じたことに迫ります。 2016.06.30

プロフィール

イマ、ココ プロジェクト。117期| 田中里奈

2016年4月7日~13日に漁業支援ボランティアに参加。今年の夏に海外大学に進学予定の田中里奈さん。

参加プログラム情報

参加プログラム名:イマ、ココ プロジェクト。119期

参加日程:4月7日~4月13日

活動場所:宮城県石巻市十三浜大指

プログラム活動内容:

・わかめ(元葉)の芯抜き

・わかめ・めかぶ刈り

・わかめの冷却

・めかぶ削ぎ

・昆布の箱詰め

・わかめの箱詰め

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私はこのプログラムを楽しみにしていた。

そして参加して後悔していない。一緒にいて居心地がよい人と出会え、写真を撮りたくなるような景色や海の上での日の出を眺め、おじさんから生きているアワビをもらえた。

ただまた行きたいとは素直に思えないし、一週間が終わって何となく安心感があった。このモヤモヤを少しでも解消するために石巻での7日間を振り返ってみる。
自分はなんでこんなことをしているのだろう—私は滞在中に自分のモチベーション、原動力みたいなものを見失ったときが何回かあった。

私がこのプログラムへの参加を決めた時の原動力なるものは結構明確だった。海や漁業に魅かれた。東北に行ってみたかった。力仕事をしてみたかった。大学が始まるまでの間、暇を持て余したくなかった。さらに俗な動機を挙げると、刺激を求めていた。

もちろんこれらの原動力すべて消えたわけではない。例えば海への憧れは、小さな挫折はあったが、なくならなかった。一日だけ四時台に起きて漁師さんたちと船に乗ってわかめを刈りに行ったことがあった。しかし船に揺られながらわかめを刈っていると、酔った。生唾もでた。それでも海の上でみる日の出がすばらしすぎて、また船に乗りたいと思ってしまうから、やはり海への憧れは私を動かす一つの力なのだろう。

けれど漁師さんのお手伝いといっても、一日の中で船に乗り海を見て感動している時間はほんの少しで、私はほとんどずっと椅子に座ってラジオを聞きながら黙々とカッターでわかめの芯抜きをしていた。大変ではなかったが、頭を使わないから飽きるし、とても肩が凝った。自分のモチベーションについて考え悩み始めたのはそんな時だった。

勿論、私が望んでいたようにちゃんと力仕事もあった。プログラム開始前、私は女子だからという理由で力仕事を任されないのではないか、と心配していたのだが、新しくわかめが取れた日は、ボイルして冷やしたわかめをかごに入れて、(わかめに塩を絡ませるための)ミキサーの前に立つおじさんの近くまで運ぶのが私の仕事だった。私は体を動かすのが好きだから、今でも力仕事に対して悪いイメージはない。しかし、滞在期間中、自分がなぜ力仕事をしたかったのかがわかると同時に、自分は純粋に力仕事がしたいわけではないことに気付いた。

というのは、私は冷えたわかめをたっぷりかごに入れて運びながら、「重いものもきちんと持てます・力仕事できます」アピールをしているつもりで気分が良くなっていたのだ。私は力仕事自体を楽しんでいたのではなく、力仕事を飄々とこなして周りを感嘆させようというというモチベーションで動き回っていた。
そんな時、ホストマザーに注意された。(実際の言葉は覚えていないが、大体の意味は)

「あんたが運べても、重いかごを持ち上げてわかめをミキサーの中に放り込むおじさんが肩を壊してしまうよ。もっとほかの人のことを考えなさい」

そこで拍子抜けしてしまってからは、自分はなぜこんなに必死にわかめを冷やして、運んでいるのだろう、と考え始めた。

結局、明確なモチベーションを見失ったときに役立ったのは、あと一時間で休憩があるから頑張ろう、あと二かご分のわかめの束を冷やせば一息つけるから頑張ろう、滞在期間も折り返しに入ったから頑張ろう、というような作業・行動の本質からずれたモチベーションだった。
あとは「私は単に漁業ライフをエンジョイしに来ただけではなくボランティアをしに来ているのだ」と自分に言い聞かせていた。

ボランティア。

典型的なボランティア(一方的な支援)の場合、支援されている側は申し訳なく思って気を遣ってしまうこともあるのだろうが、今回私は食事や寝る場所を提供してもらっていたから一方的に支援していたのではなかった。そのためだろうか、遠慮なく仕事を任された。10時間以上働いた日もあった。

朝、二階の部屋でのんびりと洗濯をしていると、インターフォンがなり、ドアを開けると、階段の下にホストマザーがしかめ面で立っていた。そして「仕事始まってんだけど」と言われた。
オリエンテーションで一日の労働時間は一応7時間だと聞いていた。勿論それ以上働いてもよく、そこは参加者各自の判断に任されていた。

だからこれはサービスなんだよ!少しぐらい感謝してもいいのに、と反発している自分がいた。
この反応がおかしいことは理屈ではわかっていた。なんだこいつ、ボランティアで来ているくせに働いて当然でしょ、と思う自分もいた。

わかめの芯抜きは誰にでもできてしまう単純労働だったが、追加の働き手としてすこしは役に立てたと思う。しかし誰かを支援している、人の役に立っている、とわかっていても、なんか物足りなかった。その理由は多分ホストファミリーから直接ありがとう、助かる、と言われなかったからだ。
きっと世の中には、見返りを期待せず、使命感に駆られて他人の支援をし続ける人はいるはずだ。しかし私の場合、ありがとうはおまけだと頭ではわかっていても、その言葉なしでは十分にやりがいを感じられないのだろうし、油がきれてしまうのだろう。

ここまで書いてきて思ったのは、今回の石巻での経験は、私にとって何よりも自分のこと—自分が何を求めているか—を知る機会だった。

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