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グローカルに建築デザインを考える

地域に根付きかつ世界中とつながることを理想とするグローカル。そんなデザインの建築が地域振興や復興に必要とされている。 2015.10.31

プロフィール

ライター:内海潤也

グローバルとローカルを共存させるグローカル

 

グローカル・デザイン Glocal Designという言葉を聞いたことがあるだろうか?

グローバル Globalとローカル Local を足して2で割ったデザイン。そうといえばそうだが、そんなに単純ではない。

グローバリゼイションは物や情報の流通スピードを上げ、拡散地域を広げ、今まで繋がらなかったことを繋げることを可能にした。しかしその一方で、画一化が進みどの都市も商品も建築も同じような型にハマってしまう。世界中どこの主要都市にいってもH&Mやスターバックスやマクドナルドがある状態は、グローバリゼイションがもつ画一化の側面を表す典型的な例である。

この画一化の流れに対抗する形で形成されたのがローカリゼイションである。地方の特色をきちんと保存していこうとする動きであるローカリゼイションは、地産地消に見られるように物流の規模を小さくし、ローカルの内側でできるだけ循環させていこうとする動きである。一般的にはグローバリゼイションに対するアンチテーゼのように発展してきたのでグローバルな動きには相容れないものである。

そしてグローカルとは、この両者を組み合わせたもので、ローカルでの動きがグローバルな規模で影響する、それと同時にグローバルな動きをローカルそれぞれの形に落とし込むという考え。例えば日本において地域振興が成功すると、その手法はインターネットを通じて世界中からアクセス可能になり、その手法をそれぞれの地域の状況に合わせて適用するということ。

 

地域に根づいたデザインは災害時でも市民の拠り所に。

 

元々、グローカルは環境運動に端を発するものである。そして3.11以降、日本の建築業界や都市計画分野でも注目されるようになった。どのような社会像をもって復興していくのか。どのようにコミュニティを再生していくのか。その中での建築の果たすべき機能とはなにか。このような問いに対して従来のアプローチでは対処しきれないことが明らかになったのが3.11であった。「復帰」と「復興」は違う、つまり元あった状態に戻すだけでは復興にはならない。建築の観点からすると、ハコモノを整備するだけではなく求められているのはコミュニティが有機的に機能できる建物や都市デザインである。そこでグローカル・デザインというものが注目されている訳である。地域それぞれの文化、歴史、土地性、風土といったものに根ざした建築物、都市デザインというものが求められている。

リアスホール外観 参考:大船渡市民文化会館ホームページ

例えば、2008年に完成した岩手県大船渡文化会館+市立図書館(リアスホール)。この建物は市民とのディスカッションやワークショップを50回以上も行い、市民の要望と使用法を考慮したデザインスクリプトを基に建てられた。三陸の特徴であるリアス式海岸の形をデザインに取り入れ、市民が建物に親しみをもてるようにプレイベントを行ったりと、ただ建築物をトップダウン方式で建てるのではなく、それが日常の中で自然と機能することを目指して建設とプレイベントが総合的に計画された。結果として、3.11の際には避難所でもないリアスホールに自然と500人ほどが避難をしてきて避難共同生活の場と自然になりました。こういったローカルの特徴を備えローカルの要望を満たす建築物、そしてそれが生み出す有機的なコミュニティというものが3.11以降の地方に必要だと筆者には思われる。

被災地防波堤 参考:マイナビニュース

しかし現在、このような忍耐性を必要とする市民的建設計画の動きに反して、巨大なコンクリの壁が東北沿岸に建設中なのだ。その長さ合計で400km。だいたいフルマラソン10回分に等しい。安藤忠雄建築400kmなら観光名所になりそうだが、このコンクリの壁は波を防ぐためにある。しかも海が見えるように窓付き。窓付き??それって波を防げるんだろうか。

 

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