自分が震災ボランティアをしている意味を深く考えた。

◆活動報告:河村さん(愛知淑徳大2年)

参加プログラム:Youth×イマ、ココプロジェクト5期
参加日程:8/30-9/5
活動場所:宮城県石巻市 牡鹿半島福貴浦
活動内容:牡蛎とムール貝の仕分け、牡蛎の釣り上げ
              仮設住宅訪問

 

 

今回のイマ,ココ,プロジェクトは僕自身,遠野まごころネットに続いて,2度目の被災地ボランティア作業でした。今回のボランティアは漁師のお仕事のお手伝いということもあり,好奇心が湧いた反面,漁師の厳しい仕事に耐えられるかという不安もありました。しかし,東北で再びボランティアができるということもあり,引き締まった想いを持って今回のプログラムに参加しました。

石巻にたどり着いたとき、海が近くにあったわけではありませんが,あちらこちらの建物に津波の跡があり,改めて津波の被害の大きさを実感しました。漁師の方や,一週間行動を共にするボランティアの方と出会ったとき,昔から人見知りの性格が患いとなり,あまり上手く話せませんでしたが,漁師の方もボランティアの方も優しい方ばかりだったので,僕のことを快く受け入れてくださり,本当に嬉しかったです。

浜でした主な作業は,牡蠣とムール貝との仕分けや釣り上げなどを行いました。牡蠣が旬の時期でない夏だったこともあり,作業自体,すごく忙しいということはありませんでしたが,実際に使っている漁船に乗せてもらったり,獲れたてのムール貝を頂いたりなど,普段の生活ではできないような様々な貴重な体験をさせて頂きました。どの経験も目新しいものばかりだったので,個人的にはすごく楽しかったです。

ムール貝

 

そんな,おいしい牡蠣やムール貝の仕分け作業,釣り上げ作業はとても良い経験となりましたが,僕にとって今回のボランティア活動の中で特に印象的だったのは,漁師体験よりも漁師さんの震災直後の体験談でした。

牡鹿半島 福貴浦

 

 

今回のボランティアは東北の現地の漁師さんと実際に生活を共にするということもあり,震災直後はどんな状態だったのか,またどんな光景を目の当たりにしたのか,しっかり聴いてその話を多くの人に伝えようという意気込みがありました。でも、実際そのような話は漁師の人に辛い体験を思い出させることになると思い,そのことを考えると自分から話を切り出すことが中々できませんでした。
しかし,漁師の方たちは自分から震災のときの話を僕たちに詳しく話してくださいました。その中には,本当にボランティアに来てくれる人がありがたいといった嬉しい話や,被災地の人とボランティアはお互いに必要とされる関係を育むことが大切といった話などがあり,今まで本当に自分がボランティアとして必要とされているのかといった疑問が拭えなかった僕にとって,自信を持てる言葉を投げかけてくださいました。

その中でも,震災直後の遺体安置所での話はとても印象深く,心に沁みました。震災直後,津波に呑み込まれた人の遺体や,家屋の下敷きになり,命を落とした方の遺体が数えきれない程,体育館の中で安置されていたそうです。漁師の方々のご家族も例外ではなく,震災によって両親を亡くされた漁師の方もいました。そのとき,その両親の遺体を遺体安置所まで何時間もかけて運び込んだ後に見た光景は,数えきれないほど並べられた遺体の数とその遺体に寄り添って泣いている家族の光景だったそうです。ただ,ただ残酷な現実に体育館の中は深い悲しみに包まれていたそうです。しかし,遺体が多かったため,遺体が次々と運ばれてくる現実が当たり前の光景のように見えるようになったと漁師の方は言っていました。今となっては,そのことに強く不安を覚えたそうですが,そのときはそんなことを感じる余裕すら無かったそうです。震災の被害が如何に残酷で大きかったのか,その話の中でも感じずにはいられませんでした。

そして,最後に漁師の方は僕たちに対して「地元の大切な人に,自分の命は自分で守り,地震や津波が来たら何がなんでも逃げることを伝えてほしい。生きていればなんとかなる。」といった事を伝えてくれました。その話を聴いたとき,何ともいえない深い悲しみに胸を突かれました。

僕はこの話を聴いて,改めて自分が震災ボランティアをしている意味を深く考えました。
何のためにボランティアをしているのか,どうして東日本大震災のことを学んでいるのかー。
その答えはやはり,伝えるため,そして自分の身近にいる人々を大切に守るため,ということでした。漁師の方は自らの辛い,痛ましい経験を臆することなく僕たちに伝えてくださいました。その心は決して容易く持てるものではありません。生涯,その傷は消えることのないものだといっても過言ではありません。しかし,漁師の方はそのことを僕たちに伝え,そして身近にいる大切な人のことを考えて,守れるようにと伝えてくれました。漁師の方のこの心は決して,無くしてはいけない,風化してはいけない想いだと思います。

今の僕は,このことを中々伝えられずにいます。どうやったら伝えられるか,どうすれば一番良いのか,毎日模索しながらボランティアを続けています。そんな状況の中で,行き詰ったとき,何度もこの漁師さんの話を思い出し,自分が伝えられなければならないのは,一人ひとりのこのような心,想いであることを自分自身が忘れず,繋げるようにこれからも東北の復興,人々を追いかけていきたいと心に誓いました。
今回のボランティア,忘れられない尊い経験をさせてもらいました。