4人4色。 僕たち、私たちが考える東北の未来。

Teen for 3.11。それは10代による10代のための10代ならではの復興支援団体。主に高校生で構成されています。東北への思いをそれぞれの胸に抱き、集まった4人。そんな4人が今回この場で、これからの東北をどうしていきたいか、またそのために何が必要なのかを、力強く語ってくれました。 2014.03.08

プロフィール

高校生の復興支援団体「Teen for 3.11」

~Member~ 塚田 耀太(20) 私立慶應義塾大学1年生 創設者、元代表 納富 祐樹(18) 私立曉星高校3年生 現副代表 武田 彩(18) 私立 桐蔭学園 3年生 岡本 理依(18) 私立頌栄学園高校3年生


――Teen for 3.11はどんな活動をしていますか?

teen3

左手前:塚田さん、左後ろ:納富さん、右後ろ:岡本さん、右手前:武田さん

納富:Teen for 3.11は10代による10代のための10代ならではの復興支援をしていて、東日本大震災だけではなく、次の災害時に備えて素早く行動に移すための仕組みを作っています。例えば、高校生でも行けるように、長期休み中に1泊3日の東北旅行を企画したり、「東北さいこう」というフリーペーパーを発行し、「じゃあ東北に行こう」と思わせるような東北の魅力や、東京にある東北の物産店を紹介しています。 高校生って、時間もないし、子供が「東北に行きたい」って言うと、親は放射能の心配をするし、東北に対して絶対的な信用ってないじゃないですか。だから東京でもできる復興支援ということで、東北の食材を使った料理教室とか、東北の方と交流できるようなイベントとかを開催しています。


――どうしてTeen for 3.11を始めたのですか?

塚田:この団体を始めた経緯としては、実は僕がYouthのプログラムに参加させて頂いたことがきっかけなんですよ。2011年の12月のクリスマスのプログラムでした。その縁で僕はカメラが好きなので声を掛けてもらってYouthのプログラムのカメラマンをしていました。それで撮っているうちにもっと東北の事を高校生のみんなに知ってもらいたい、その為には旅行先にしてもらえばいいんじゃないかと考えるようになりました。でもいきなり東北に行くのは高校生には色々な問題があって難しいところもある。その時に東北を知ることも復興支援の最初の一歩だと思って、東北を知るためのフリーペーパーを発行すれば東北に行かなくてもみんなに東北のことを知ってもらえるんじゃないかっていう風に発展していったんです。「高校生にも出来る復興支援」を考え続けて2012年の4月にTeen for 3.11を立ち上げました。


――塚田さんのボランティアのきっかけって何だったんですか?

塚田:震災が起こったのは僕が17歳の時で、高校2年生の春でした。それで2011年の8月に個人で東北に行ったんです。僕はボランティアっていうのが嫌いで、カメラを持って石巻に行きました。

僕長野県出身で新潟に結構親戚がいるんですよ。みんな中越地震を経験してて、そのときに親戚の片づけのお手伝いをしにいったんです。今思うとそれでちょっと震災には興味あったかなって思います。千年に1度って言われる地震がどんなものか知りたかったし、とりあえず行動に移しました。

行った時は、「もう無理だ」って思いました。その景色にすごい驚いたんです。地盤はがたがただし、電柱は倒れてるし。そんな景色を見て、何か自分の中でまとめようと思ったのですが何もまとめることもできずに帰ってきました。

そのあと「東北にボランティアしに行かないで何するの?」ってその時にボランティアをしにいこうとしていた友達に言われて確かにそうだなと思って2011年12月にYouthを使ってボランティアに行ったんですよね。そこでボランティア中に出会った人たちがYouthの元代表の方とか運営の方たちで、高校生ながらに「こんな世界あるんだ」って思いました。人の縁が大きかったですね。それで僕が高校生っていうので色々チヤホヤしてもらって(笑)帰って来てからこの団体を作ったんです。


――みなさん震災の時何してましたか?

納富:僕はその時中学3年生の卒業式の前の時だったんですけど、中高一貫校の中学校の卒業式なんてたいしたものではないですが、結局卒業式は無くなりました。

武田:私は中学3年生の時の合唱コンクールの練習帰りでした。電車の中で震災が起こって、家の近くだったのですが、その時ピアノの月謝を持っていて、親に「それで自転車を買って帰ってきなさい」と言われて買ってそれに乗って帰りました。そのあと合唱コンクールも卒業式もなくなって、大阪にいる親戚の家に行きました。

塚田:僕はテスト返却の日でした。駅の近くに住んでいたので、帰れなくなった友達を家に泊めました。

岡本:私は学校で生徒会をやっていて、卒業式の3日前とかでした。結局卒業式はなくなって、高校は違うところに行った友達とは会わずじまいです。3月11日は学校で泊まりました。当時流行していたmixiで情報収集をしていると、「岩手県が終わった。」なんて誤報が流れていたのを覚えています。


――それぞれそこからどんな経緯で東北に関わることになったんですか?

teen4

納富:僕の父親が単身赴任で東北にいて、震災が起こる前からよく東北には行ってました。そしてうちの学校がキリスト教系の学校なので、震災後は被災地に行くことが学校でも推薦されていたのですが、学校からの斡旋っていうのが嫌だったんです。例えば、被災地に行っても「無断の外出は禁止、携帯は極力出すな。」とかそういう締め付けがあるだろうなって思っていました。

だけど母親は「今行かないでいつ行くの?」ってすごい勧めてくれて、このまま行かなかったら来年は受験の時期になってしまうって分かっていたので、2012年の7月に友達についていき、個人的に釜石市に行ったんです。結局学校が勧めているところなんですけど。それで実際行ってみたら全然報道通りじゃなかったことに気づきました。釜石市って「釜石の軌跡」って言われてて子供の死亡率がすごい低い所なんですよね。だから比較的大丈夫なのかなって思ってたんですけど、全然そうではありませんでした。当時10歳の子供と遊ぶ機会があって遊んでいた時に家族の話になったんですよ。「お母さんは?」って聞いたら「今仕事してる」って言ってて、「じゃあお父さんは?」って聞いたら「死んじゃった」って。その時身近に親が死ぬってこういうことなのかって思ったんです。

そのあとは受験期だったので被災地に行けなくなったのですが、AO入試が終わって何回か行きました。「これで東北を知った気になっちゃいけない、もっと関わり続けなくちゃ」って思ったんです。それで知り合いを通じてTeen for 3.11を知って、今に至る感じです。

武田:私は震災があった後大阪に行ったんですけど、東京では震災関連の番組ばっかりだったのに、大阪では普通にお笑い番組とかやっててびっくりしました。飛行機で1時間半くらいしかかからないところなのに。

ボランティアについては、人のために何かするの好きでしたが、震災に対しては何かしようとするも結局何もできなかったです。それで、高校生になって東京に戻って来て、文化祭の実行委員をやりました。何かできることはないかなと思って募金をしようと思ったんです。でも学校側はそういうことを許してくれなくて、結局できなかったんですけど。でもこうやって出来ることはないか調べて行くうちにどんどんやりたいことが増えていきました。

震災前はスキー合宿で長野とか福島に行ってたんですけど、それも無くなって、高校2年生の夏に、Teen for 3.11の事を知って、これだ!って思いました。それで2013年の夏にTeenの旅行企画で気仙沼と石巻に行ったんです。イベント班だったんですけど初めて「被災地」っていう所に行って、「なんか空気が違う」って思いました。東京だと何かしらざわざわしてるし、何かの臭いもする。でも気仙沼は何の臭いもないし、音もしませんでした。しーんとしてたんです。朝、気仙沼の漁港のまわりにあった酒屋さんと偶然お話することがありました。仮設住宅での暮らしとか、初めて「被災」された方の生の声をお聞きしたんです。落ち着いて考えてみると、そのおじさんは自分の辛い過去について話してくれたのに自分は何のお礼もしてないってことに気づいて、帰ってからお礼の手紙を書いたんです。それから今でも手紙のやりとりをしています。

teen5

岡本:私は生徒会に入っていて、当時の生徒会長が「生徒会をあげて復興支援をしよう。」と言って募金活動をして、110万円集めたんですよ!キリスト教の学校なのでもともと献金制度はあったのですが、それはみんなしぶしぶって感じでした。でも震災の募金の時はみんながそっと3000円とか、5000円とか入れてすごい感動しました。私が生徒会長になった時には、これで途切れさせちゃいけないって気持ちが大きかったです。

それで、学校の先生で大船渡のふるさと大使の人がいて、市役所の方と繋げてもらって、大船渡で有名な椿を学校に植えてテレビに取り上げられたり、偉い方に表彰されたりしました。2012年の10月にその大船渡の高校の生徒会と繋がる企画があって、生徒会長と友達になったんです。その時に、「東北を忘れないで」って言ってた彼の言葉は忘れられません。その会長さんは親を亡くしていて、仮設住宅に一人で住んでいたんです。「家族をこれ以上失ってほしくない。」って言っていました。だから今の自分は防災に力を入れてるんです。大船渡市長も私の働きを後押しして下さっていて、毎日電話させて頂いたこともあったし、まるで”親”みたいな存在です。

それで学校に帰って来たんですけど、学校のみんなには伝わらなかったんです。やっぱり「ボランティアは偽善」って思っていて。SNSでも言いづらかったです。でも偽善だって言われることをしちゃいけないって気づきました。偽善だって思われるんじゃなくて、ちゃんとひとつひとつの言葉に気持ちを込めようって思いました。

サンドイッチマンの伊達さんに「岡本頑張れよ!」って背中叩いてもらったのも救いになりました。生徒会が終わってふらふらしてたころに学校内でTeen for 3.11のポスターを見つけて、2012年にteenの企画でクリスマス会を気仙沼でやりました。


――実際に東北行ってみてどう思いましたか?

岡本:最初2012年の秋に大船渡に行ったときは、私まだ東北のことをよく知らなくて、テレビや本ではたり読んだりしていたけど、現実のものとしてよくわかっていませんでした。でも実際に、陸にうちあげられている船とか、ボロボロになってしまった建物とかを見て、「まだ取り壊されてないんだ、あれから1年半も経っているのに、そういう余裕もないのかな。」って思いました。なんていうか、東北の現実を見せられた気がしました。

それで2013年の12月にもTeen for 3.11の旅行で、気仙沼と南三陸に行ったんです。そしたら、船が取り壊されていて。その時、なんか私は「津波のすさまじさが伝わらなくなっちゃうな。」って思ったんです。防災のために、やっぱり過去のそういう遺産を残しておくのは大事なんじゃないかって私は思ってるんですけど。またその土地に新しいものが建つじゃないですか。そしたら分かりづらくなっちゃうなって。


――特集のテーマですが、これからの東北をどうしていきたいですか?また、そのために何が自分たちにできると思いますか?

塚田:僕はそもそもなんでそんなことを僕らに聞くのかがわからないんです。僕は東北の人たちが迎えたい東北にしたいって思ってます。別にぼくら外部の人間が決めることじゃないっていうか。ただ東北の人たちがやりたいと思っていること、例えば多くの人に今頑張っているところに来てほしいとか、なにかしたいことをしていきたいなら僕はその支えになりたいし、出来ることをしたいと思っています。関東でも彼らのためにやれることを精一杯やっていきたいです。

岡本:私は少し違って、東北に行ったときに、「なつかしの未来」っていうキャッチコピーを見たんです。それってつまり、「昔のように戻りたい」ってことなのかなって思います。昔みたいなあたたかいコミュニティを作り直したいんだなってそのキャッチコピーから感じました。でも私は震災前の東北の姿を知りません。だから震災前の人のことだったりそんな場所でそんなコミュニティがあったのかなど、もっと知りたいし、外部から問題提起できる部分もあると思います。

納富:僕はどっちかっていうと塚田君寄りの考えで、東北は自分の地元じゃないし、でかい口を叩ける立場じゃないかなって思います。でも、震災というきっかけで地元が嫌いって言ってた人たちが立ち上がったり、震災のおかげでっていったらあれだけど、良かったこともあったと思う。震災が起こらなかったらどんどんマイナスの方向に進んでた過疎化とかの問題も、震災っていうどん底まで来て、下り坂を上向きに戻そうというアクションが起こったんじゃないかなって思います。だから僕は、東北住民の方が見つけたそういう部分を良い方向に持っていくための手助けができたらいいなと思っています。外部の人間が行って、何かしらやったところでそれが正しいかどうかはわかりません。でも、最低でも、彼らは僕らが関わりを持つことを拒んでいない。僕自身にこの答えは見つかっていないです。勝手に「支援」をやっている身ですし。でも関わった以上は、絶対復興支援をやめちゃいけないなって思います。

塚田:というか、Teen for 3.11ってそういうビジョンが無いんです。僕らはただマッチングしているだけなんです。あとは東北の人が東北の学生にやりたいことがあって、関東の学生が力になりたいと思っている。東北以外の学生に震災のことを忘れてほしくないって思っているから東北以外の学生に力になりたい学生にまだまだなんだよって伝え続けます。僕たちはその両者のニーズがある限り、復興支援をやり続けるんだと思うんです。


――最後になりますが、みなさんにとってボランティアとは?

岡本:自分が本当に心をこめてやれることだと思っています。

武田:私は、人を笑顔にしたいって気持ちでやっています。

塚田:僕は、偽善とかそういうのは関係なく、今起こっていること、何が起こっているかを知るために行動することなんじゃないかなと思います。

納富:誰に何を言われようとやることに意味があるなら、プラスの感情を持つべきだって思います。

スクリーンショット 2014-03-04 14.23.23


☆★学生編集者・ライター募集中!!☆★

PICK UP

募集中のボランティア

360ボランティア最新記事

WE WANT YOU !!

学生運営メンバー随時募集中


東京 and 関西


詳しく見る