基本 RGB

Youthの新拠点「えんがわ」ってどんなとこ?

東京、墨田区京島。戦前から残る木造長屋が立ち並ぶこの地区に、2014年5月からYouth for 3.11の新たな拠点ができました。これまでもシェアオフィスという形で他団体のオフィスを間借りさせていただいていましたが、今回は今までと少し仕様が違っています。何が違うかというと、建物が“オフィス”ではなく“家”であること。そう、なんと“シェアハウス”の1階を使うことになったのです。今回は遅ればせながらそんな我らが新拠点を皆さんにご紹介したいと思います。 2014.12.24

プロフィール

河合信哉(Youth for 3.11代表) × 松浦伸也(シェアハウス『えんがわ』管理人)

河合信哉: NPO法人Youth for 3.11の代表を務める。 埼玉大4年。静岡県焼津出身。        松浦伸也: シェアハウス『えんがわ』の管理人。 東京農業大学を卒業後、緑のふるさと協力隊として福井県の池田町で1年間活動する。現在は東京都墨田区で毎週末ファーマーズマーケット『すみだ青空市ヤッチャバ』を開催している。埼玉県所沢出身。

えんがわの標識

シェアハウスの名前は『えんがわ』。2014年5月に新しく作られ、現在9名ほどの学生と社会人が共同生活を送っています。Youth for 3.11はこの家の1階を使用し、毎週日曜日の定例ミーティング、参加者への研修・リフレクション、イベントの開催等を行っています。

なぜ、Youth for 3.11はここに新拠点を置くことになったのか。
代表の河合信哉に、オフィスを移動することになったときのエピソードを詳しく伺ってきました。

nobu

シェアハウス『えんがわ』にて、河合信哉さん


Youth for 3.11はなぜ『えんがわ』に来ることに?

(河合)ご縁ですね。色々な経緯があって、そもそも僕らは提携していた団体の東京事務所を間借りしていた状況で、その事務所をあるとき1ヶ月以内に閉じるという話になったんです。当然僕らも出ないといけないという話になって、慌てて新拠点を探し始めました。周りの人に聞いたり、自分たちで調べていく中で、“墨田区”という土地が浮き上がってきて。運営メンバーに墨田区の子がいたり、色々一緒にプロジェクトをやるメンバーに墨田区の人がいたりする関係で、ここら辺に空き家が多く、比較的安く貸してくれるという話が耳に入ってきたんです。それで今の『えんがわ』にたどり着いた、という感じですね。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、Youth for 3.11は参加者の方に長靴や寝袋の貸し出しを行っています。そのため、身ひとつでオフィス移動というわけにはいかず、どうしても荷物を置くことが可能な場所にする必要がありました。そのときに出会ったのが『えんがわ』でした。
最終的な決め手は、何だったのでしょうか。
“墨田区という土地”と、“えんがわの目指す空間”に、その答えがありました。

大学生のいない町


『えんがわ』はあまり立地も良くないですし、それでもここに決めたというのは、何か安く借りられる以外の決め手があったのでしょうか?

(河合)墨田区の土地に関して1つ良いなって思ったポイントがあって、とある人から、「ここは大学生がいない町なんだよね」っていう話を聞いたんです。Youth for 3.11は年間600〜700の学生を各地へ派遣していて、その研修やリフレクションのたびに参加者の学生の子たちは僕らのオフィスに足を運んでくれます。大学生のいない町に、年間600〜700の大学生がこの地域に入ったら面白いんじゃね?みたいな感覚がありました。

実は、墨田区には大学がありません。そのため必然的に、地元の若者は地域外の大学に通い、むしろ生まれも育ちも墨田区ではない人たちが、町を盛り上げています。こうした状況は、Youth for 3.11がこれまで派遣してきた東北を始めとする地方のまちづくりと共通する部分がありそうです。

(河合)それから、このシェアオフィスの特徴として、“色々な人が来る”というところはポイントでしたね。団体としても、運営メンバーだけで凝り固まりたくなかったんです。そもそも中間組織という体制の性質から、関わる人が運営メンバーになりがちな団体だったので。もちろん僕や、一部の人間は外に出たりして色々な人と会うわけですが、外部の人と会って話す中でインスピレーションもあるし、そういう意味としても墨田区はさまざまな方面で活動している人がいるなという風に僕の目からは見えて、人が自然に集まり場という意味で、空間としてもいいなと。ただ迷ったのはアクセスの問題で、ちょっと遠いかなとは思ったけど(笑)

シェアハウス『えんがわ』は、そもそもなぜ作られることになったのでしょうか?設立者であり現在管理人を務める松浦伸也さんにお話を伺いました。

松浦さん

シェアハウス『えんがわ』にて、松浦伸也さん


『えんがわ』の目指す空間、そしてこのような場所を作りたいと考えた経緯は何だったのでしょうか?

(松浦)「内の人と外の人が交わるスペース」を作れたらいいねっていうことで作りました。それこそ4年以上前の話になるんだけど、東京農大の構内に「大学院生ブース」っていうオフィスのようなブースがあって、僕は24時間ほんとにずーっとそこで勉強していたんだよね。それは何の勉強かというと、普通の学校の勉強もそうなんだけど、もっと広義での勉強。(それ以上に)たくさんの多様性を感じられる場所だったんだ。例えば違う学部の奴がそこに来たり、全然違う学校のやつがそこに来てプロジェクトをやっていたり、僕は植物系のことをやっていたから、博物学の勉強をしている人たちとそこで話し合いしたりだとか…色んな院生が集まってワイワイやっていた。それがすごく良い刺激になったんだけど、同時に、「あ、農大っていう制限だとこれくらいの人の多様性だ」っていうのも見えたんだよね。学外に出た方がもっと多種多様な人に会えると思い、学外に出て色々な人に会うようになった。

しかし、松浦さんの卒業と同時に『院生ブース』が撤去されます。それを皮切りに、『院生ブース』をもっと発展させる形で人の集まる空間を作りたいと考えるようになったそう。そのときに参考にしたのが西洋発の『ラウンジ』でした。

集まる人に“人生のイレギュラー”が起こる空間を目指して

『ラウンジ』というスペースは、もともと西洋の作業場のない建築系の学生たちが、折半して借りたボロオフィスに机や椅子を持ち込んで皆で作業していた作業空間のことだと言います。その空間ができた結果、たまたま隣で作業していた人と作品をコンペティションに出したり、そこから建築ユニットが生まれたり、起業したりなどという“イレギュラー”があちこちで起こったのだそう。
「自分もそういう“イレギュラーの起こる場”を作りたいと思った」と松浦さんは言います。

(松浦)そういう“イレギュラー”の起こる場所をつくるにはどうしたらいいかなって思っていたときに、ちょうど“コワーキングスペース”っていうのに出会ったんだ。世田谷のちょうど農大の近くに、
Pax Coworking』というシェアオフィスの発展版みたいなのがあって、それが東京にはじめてできたコワーキングスペースだった。
そこはすごく成功していて、その人たちの影響を受けたときに僕は“多様性”って言ったときの言葉の貧しさを知ったんだよね。“多様性”というのは漠然とした概念であって、実際は1人1人に可能性の幅がある。だから“多様性あるよね”って言ったときに、その多様性ってどこまでの人を指しているのかわからない。その多様性の幅が、僕はすごく貧しかったんだなと思ったんだ。それを知れたことがすごく自分にとってプラスだった。それで、“多様性っていう言葉の豊かさを知れる場所”になったら良いなと考えたのがこの『えんがわ』を作ったきっかけかな。

DSC_0434

シェアハウス『えんがわ』の縁側にて、Youth for 3.11の運営メンバー


そういえば、シェアオフィスとコワーキングスペースの違いって何なんでしょうか?

(松浦)空間をシェアするのがシェアオフィス、空間と成果をシェアするオフィスがコワーキングスペース。
と言っても、“成果をシェアする”って全然ピンと来ないよね?


そうですね(笑)。

コワーキングスペースってシェアオフィスと違ってパーテーションがないんだよ。だからみんな壁に向かって仕事してるんじゃなくて、大きいテーブルがあって、そこにみんな向かい合って仕事する。そこにいる人たちは、誰がどんな人なのか、どんな課題をかかえてどんなスキルがあるのかっていうのを何となく把握しているんだよね。そこに新しい人が来て、例えば「僕はデザインのことやりたいんだけど作るものがなくて、でこんなもの作ってきたんだけど〜」とかいうと、そこにいる一人が、「あ、だったら誰々さん紹介するよ」という具合につながってプロジェクトベースの会社ができたりする。ある程度成果を生んだところで、まあ解散するなり残りの誰か一人が続けるなり、それが常にいろんなところで交錯しまくってる状態になるのがコワーキングスペースの成功している状況なんだ。


なるほど〜。

違いのある人が、本当は制限されたその空間の中で共通言語を持って、密なコミュニケーションをすることで文化が生まれる。

そういうことができたら、たぶんそこにいた人たちはみんな成長するし、面白い人になっていくだろうなと思ってる。僕はそういうのが見たいし、そこで自分自身も勉強したいし、おもしろがりたいなと思って。

“多様性の豊かさを知れる場所”になるには、できるだけ色々な人が来ることができる場にする必要があると松浦さんは言います。これからの『えんがわ』で起こるさまざまな出会いと“イレギュラー”に胸が高まりますね。

(河合)僕らもやっぱり何ヶ月か先か一年後か、「ここに来たからこその良かったことってあるよね」ってみんなが口々に言えたらそれは良かったことなのかなって思うんですよね。そういう風な結果になれるように、今頑張ってます。
今のYouth for 3.11とえんがわの間に立っているのってまだ数人だけど、こういう場に他の人たちも交えたりしたいし、じょじょにそこら辺もインタラクティブというか、活性化させていきたいなと思います。

“学生のいない町”でYouth for 3.11ができることの可能性は無限大!これからが楽しみです。さまざまな人とのコミュニケーションを通して、Youth for 3.11に関わる学生の視野が広がる機会にもなれば良いなと思います。
そんなわたしたちの新拠点『えんがわ』に興味のある方はぜひ一度遊びに来てください♪

DSC_0453


☆★学生編集者・ライター募集中!!☆★

ライター:長瀧彩花

PICK UP

360ボランティア最新記事

WE WANT YOU !!

学生運営メンバー随時募集中


東京 and 関西


詳しく見る