人が変われば町も変わる。 まずは気仙沼を良くします!

2011年、気仙沼で偶然にも出会った3人が、日本全国の問題意識を変えようとNPO法人「底上げ」を立ち上げた。そんな3人のサポートの元、気仙沼の高校生、問題意識を抱えた若者たちが挑戦を繰り返している。そしてついに気仙沼の町の人々も…? 今回はメンバーの一人、成宮崇史さんにお話を伺ってきました! 2014.03.30

プロフィール

NPO法人「底上げ」| 成宮崇史

NPO法人「底上げ」の理事を務める。 2011年12月に気仙沼に住民票を写し、気仙沼の常駐メンバーとして団体を支える。 高校生団体「底上げYouth」のサポートや、地域イベントのお手伝い、語り部など、気仙沼を中心に様々な活動を行っている。

日本全国の意識の「底上げ」を、気仙沼から。


立ち上げの経緯は?

簡単に言うと、震災直後に、気仙沼で出会ったメンバーで立ち上げた団体なんです。 僕は、2011年の8月にはじめて気仙沼にボランティアとして来て、2か月半くらいテント生活しながら、がれき撤去とかをしていました。 そのときに、気仙沼に同世代の若者が支援に入ってるって聞いて、興味があって10月くらいに紹介してもらったら、すごくフィーリングが合ったんです。それが今一緒に仕事をしている矢部と斉藤でした。 ボランティアっていうのは、いつまでも継続的に続くものでもないし、経済的にもね。なので、仕事としてちゃんとこの地に携わろうっていうことで、NPO法人として「底上げ」という団体を3人で立ち上げたんです。 矢部と斉藤は講演会などで全国まわったりしているので、僕は12月には住民票を移して引っ越してきて、常にこっちにいるポジションという分担でスタートしました。


なんで、団体名は「底上げ」にしたのですか?

一番の最初の名前の由来が、「日本全国民の意識の底上げ」ってところから。 矢部の考えが強くあるんですが、〝一人一人がもっともっと自分の身近にあることに問題意識をもてるように〟という思いがあります。 被災地の問題とかもそうだけど、問題対して自分が何かアクションをおこすっていうような人間ってそんなにいなくて、「なんか大変だよね」止まり。 だから、まずは意識を向ける、そこから関心を向けて、じゃあどうするかっていうところまで持っていけると良くて、その最初のステップとして自分で考える力を育てるところからやりたいんです。


活動としてはどんなことをされているんですか?

ざっくり言うとなんでも屋さんみたいなところがあって、ボランティアの受け入れや地域のイベントのお手伝いや、僕個人では語り部なんかもやります。

その中で、一番最初にスタートして、今でも団体の一番メインの事業として動かしているのが「学習コミュニティ支援」です。

自分たちで団体を作ったは良いけど、やることは実は最初全然決まっていなくて、たまたま2011年の1月に、他の団体から声がかかった「学習コミュニティ支援」の現地スタッフを始めたら、地域の中でわりと評判が良かったので、ぜひ継続してほしいって言ってくれて。

今は週2回ずつ、1つが、地域のコミュニティスペース、もう1つが、仮設住宅の集会所で、合わせて週4回、放課後に子どもたちが集まる場所づくりをしています。 宿題持ってくる子がいれば勉強を見たりもするし、あとは大学生のボランティアに入ってもらって話をしたりとか、触れ合いの場という意味合いでやってます。

そこから派生して、今一番メインにやってるのが「子ども会議」っていうので、これは学習コミュニティ支援で出会った高校生たちの中で、「震災があったから、自分たちのまちのために何かしたいんです」っていう想いをもってる子がいたので、同じような考えを持っている子たちを募って、話し合いの場を作りました。

それが今、高校生団体「底上げYouth」という名前で活動しています。 ぼくたち底上げは、高校生たちが自主的に主体的に動けるようにサポートするっていう意味合いでプロジェクトとしてやってます。

地元の高校生たちの手でよみがえる「恋人の町 気仙沼」


「底上げYouth」は具体的にどんなことをするんですか?

最初、町のいいところからアイデア出ししているんですが、プロジェクトの中で一番カタチになっているものを1つ紹介すると、「恋人ツアー」というのがあります。

実は〝恋人〟って言葉が気仙沼発祥なんですね。そこで、恋人にまつわる歴史的な観光スポットを、オリジナルのラブストーリーとジンクスをいれて高校生なりの視点を入れて観光パンフレットにしています。

つい先日、高校生たちがこの観光スポットをめぐる「恋人ツアー」を企画して他県から来た大学生を対象に回ってもらいました。

これ以外には、食に興味ある子たちの「フードチーム」、地元のお祭りをアピールしていく「お祭りチーム」のプロジェクトも進行中。

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【写真】恋人ツアーの観光パンフレット


このパンフレットのデザインって高校生が考えたんですか?

構成は高校生だけど、全体のデザインは知り合いのデザイナーの女の子に任せています。

そのデザイナーの子はYouthメンバーとも話が合うので、そういう人で、一緒にやっていけたらなと。

あ、でも煙男くんと雲ちゃんの挿絵は高校生。熱いっすよ、高校生の子たちも。

今では、学校なんかにも、50部くらい送って下さいとか声かけてもらえることが増えました。

一番よかったのは、震災を機に、多くの人がこの地に足を運んで、大学生もいれば、社会人もいれば、企業家もいて、そんなひとたちと関わる間に、高校生自身の人生の選択も変わる可能性が生まれたこと。それで、自分が何かやりたいっていったときに、それをサポートしてくれる大人が出てきたっていうのは、ある意味震災があったからこそと言えるかもしれません。


「底上げYouth」の高校生は何人いるんですか?

メンバーは30人。最初は7人でスタートして、悩みつつやってたら気づいたら30人になってた。みんな気仙沼市在住。 ただ10人くらい卒業するのでまた4月から体制は変わってみたいな。でもまだ1,2年生もいるので。


どうやって7人から30人にできたんですか?

7人でずっとやってきたことの発表会を開催したときに、声掛けしたら80人くらい地元の人が来てくれて、そのときに大人の人たちにバッと広まったのもあるんだけど、まず友達とか家族とかにも声かけた方がいいよって言ったんです。自分たちはやっぱり頑張ってるし、いいことやってるって僕は思うし、身近な人にもやっぱり知ってもらった方がいいよって。それでそれを見に来た友達とかが、「わたしもやりたい!」手な感じで、一気に集まった。 地道に活動していくと、学校でもやっぱり有名になっていくし、全部口コミでひろまっていった感じです。


話聞いてるだけですごい楽しそうですもんね。

いやー、楽しいよ。(笑)

むしろ楽しくなかったらやらなくていいんです。高校生たちにもこれは常に言っています。やんなきゃとか、やらされてるとか思うなら、この活動やる必要ないし、ほんとに自分がやりたいって思ってて、それが楽しいなら続けてみようよって。 僕たちが言ってることが正しいわけじゃないし、それにも常に疑問を持っててほしい。


そうですよね、楽しくないと何事も続かないですしね。 ちなみに、高校生と活動していて感じる魅力は何ですか?

いくつかあるんだけどシンプルなところでいうと、成長していく様子をみれることかな。

あとはまちの観点から言うと、気仙沼のために、どうにか弱まった観光を強めていこうって必死な高校生たちの姿を見て、徐々に

周りの大人も変わってきている。今では観光の協会の人たちも、自分たちで恋人の観光のやつをつくりたいって言ってたりとか!

面白いのが、ゆかりのあるお寺さんがあって、たまたまネットでうちらの活動を見つけて、一緒に何かやりたいっていって、縁結びさん地蔵をたてちゃって。(笑)それからそのお寺も恋人スポットの1つになってる。 そういうふうに、ちょっとずつまわりの大人も変わってきているんです。

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【写真】「底上げYouth」の仲間たちと成宮さん(中央)

大人の底上げ


「意識の底上げ」は高校生だけが対象ですか?

いや、大人向けにもやっています。「農業部」っていうのがあって、底上げって主に被災地支援っていうのなんだけど、それだけにとどまらずに、何か自分で、身近にある問題意識に取り組む人間を、うまく底上げという名前を使って、やりたいことをやってほしいんです。

ボランティアに来た人によく言われるのが、自分たちができることってなんですか?とか、現地にいて、東京にいてもできることってなんですか?とか。

それって、僕が「じゃあこれやってください」っていったところでなにも続かないし、あなたにとってのやりがいってたぶんないと思うよって言うんです。

まずは自分で探した方がいい。町の中でいろんな人に話いきいてみたら、もしかしたら仮設店舗とかで、観光客が減ってるってことに問題意識が向くかもしれないし、はたまた仮設住宅にまだ住んでいて、復興というか、土地のハード面の作業が遅れているっていうことに問題意識が向くかもしれない。そういうのって与えられるよか、自分で感じた方がいいんですよ。


人の話を聞いてアドバイスするってわりとむずかしいと思うんですけど、成宮さんてもともとそういうのが得意だったんですか?

一番最初にやってた仕事が、児童養護施設の指導員で、わりと人を見るっていう意味では勉強になったかな。

でも、全然そんな専門的なスキルとかいらない。話したいなって、なんか楽しいなって思える雰囲気が大事だよね。まずは話聞いてみることからかな。話してみたら、「あ、もやもやしてるんだね」とかわかるし、「もういいじゃん!やろうよ!」みたいに持ってけそうな場合もある。逆にまたほめたりとか!

子どもたちとの活動も、最初彼らが自分たちの地元の良さを知らなかった。だから、話し合いでちょっとポイントあげてたときに、「え、なにそれなにそれ、すげえはじめてきくんだけどそんなん。」そんなことをふざけながら続けてたら、その子たちも地元にわりと良いところがあるって感じるようになる。

あと、1歩目踏み出してからのアドバイスは、言い続けること。言葉にすること。ひたすら。

「ぼくはこういうことやりたいんだ」とかそういうことを周りの人とかに言い続けてると、必ず応援してくれる人がでて来る。

ぼくは2011年に引っ越してきて、「気仙沼よくします」みたいなことをずっと言い続けてて、「なんだこいつ」みたいに思われてたかもしれないけどw

そういうことをひたすらやり続けてたら、周りの人も手助けしてくれてこうやってかたちになってきた。


言い続けることに躊躇はしなかったんですか?

そうですね、まあ逆に自分にプレッシャーかけてるからw ある意味自信あるのかな。やるといったことはやるし。


新しいことをしようとしてたときのまわりの反応はどうでしたか?

批判されることもありました。

「被災地を食い物にしてるのか」とかも言われたし。たしかに今のこの状況では、そう思う感覚はあるんだろうなって思うし、別にそれに腹を立てるわけでもなかったです。

そういう人たちにもわかってもらうには、とにかく動くこと。

必ず気仙沼をよくするものになる。そういう確信があるからこそ、本気でやってれば、周りの人は絶対わかってくれる。とにかく動かないと。口だけで偉そうに言ってる人にはだれも着いて行かないし、口下手でもとにかく動いてる人には、誰かしら着いていくものだから。

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【写真】部屋に貼られたスローガン

目指すは、地元の若者を地域で支えていく町


長い目で見た時に、団体をこういう風にしたいというのはありますか?

Youthの活動で言えば、卒業する3年生たちが、大学生になっても、Youthをサポートする「Youth+」になりたいって言ってて。一番いいのは、地元の中でそういうサイクルが生まれるといいと思っています。卒業した子たちが仕事として、僕たちの仕事の役割を担っていく地域が増えていったら、もっともっとその地域は活性化していくと思うし。そういうところを目指したい。


最後に、大学生に向けて一言お願いします!

とりあえず来てください。

何ができるかとか、何をしなきゃとか考えすぎちゃってこれない人とかいると思うので、そうじゃなくて、遊びにでも観光でもいいからとりあえず来てみてください。 かならず足運んで町の様子とかみたら感じることは人それぞれあるだろうし、本当に、被災地だから遊びにとか不謹慎って思うかもしれないんだけど。普通に、僕に会いに遊びに来てください^^

連絡先はこちら → info@sokoage.org


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